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外国語学習を科学する。効果的な英語学習9つのステップ

英語はもちろん、外国語学習にコミットしようと思っています。

インターナショナルスクールに通わせている息子(2歳から通学中)の今後の教育について考える機会もあり、そもそも外国語(第二言語)の学習ってどういうものなのか真剣に考える必要があるなと。

ということで今、第二言語習得(SLA=Second Language Acquisition)にとても興味があります。

多くの人にとって、第二言語習得の言語といえば、まずは「英語」だと思います。

 

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世界の英語人口は、15億人

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(参照)文部科学省、国連、U.S. Visa Talk および Crystal D.「A History of the English Language」

英語を第二言語(外国語)として使用している人口は11億2千万人

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(参照)文部科学省、国連、U.S. Visa Talk および Crystal D.「A History of the English Language」

 

つまり、英語を話せるだけで、約15億人とコミュニケーションでき、英語をベース(第二言語含む)とする経済圏にアクセスできるということです。これを考えるだけでも、英語習得は圧倒的に投資対効果が高く、英語学習の継続に心が折れそうになった時に、いつも私が立ち戻る原点(ファクト)です。
 

さて、第二言語習得(SLA=Second Language Acquisition)について考えるのに、とても興味深かった本をご紹介したいと思います。

外国語学習の科学―第二言語習得論とは何か (岩波新書)

外国語学習の科学―第二言語習得論とは何か (岩波新書)

 

第二言語習得(SLA=Second Language Acquisition)の日本における第一人者である白井先生の名著です。

 

第二言語習得の鍵を握る5つのファクターとは

1)年齢:臨界期仮説
臨界期(思春期の始まり12-13歳)を過ぎると、第二言語の習得の難易度が高くなる。
 
2)言語間の距離:音域(周波数)の違い
音域(周波数)の違いがある言語ほど、習得難易度は高くなる。
 
主要言語の音域(周波数)の違いを調べてみました。
・イギリス英語:2,000〜12,000Hz
・アメリカ英語:750-5,000Hz
・ロシア語:125-8,000Hz
・日本語:125-1,500Hz
・中国語:500-3,000Hz
子音が中心になっている言語ほど周波数が高く、母音が中心になっている言語ほど周波数が低い。

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(参照)英語教材「英験」


上記の通り、日本語と英語は周波数が全く異なり、日本人(成人)が英語耳の習得するのが困難である理由の一つです。
 
3)言語学習習得における適正
MLAT(Modern Language Aptitude Test) 現代語適正テストによると、下記4つの能力を有している人が言語学習に適しているとのことです。やはり、適正はあるようです。
①音に対する敏感さ
②文法に関する敏感さ
③意味と言語形式との関連パターンを見つけ出す能力
④暗記する能力
 
4)動機づけ
英語を通して「将来の自分の理想像」を描き、それに向かって長期的な努力をする必要性(マインドセット)
 
5)効果的な外国語学習法
 
つまり、臨界期を超えた成人において、後天的に身につけることができるのは「動機づけ」「効果的な外国語学習法」にコミットせざるを得ません。
では、「効果的な外国語学習法」とは何でしょうか?
本著に記していた内容に私自身の経験も踏まえてまとめてみます。
 

効果的な英語学習(外国語学習)9つのステップ

1)分野を絞ってインプットする
・インプットのポイントは背景知識を知っていて理解できること。
・自分の専門分野(例 ビジネス)や興味のある分野(例 音楽や映画)について、徹底的に読んだり、聞いたりすることが推奨されている。
 
2)リスニングは、80%以上分かるものを何度も聞く
・聞き流すだけのリスニングはほとんど意味が無いとのこと。
 
3)外国語「を」勉強するのではなく、外国語「で」情報を入手するレベルまで、なるべく早く到達するように努力する
 
4)よく使う表現や、例文、ダイアローグなどを暗記することが効果的
・日常言語のかなりの部分は「決まり文句」で構成されているとの研究があり、言語習得にまず暗記(インプット)は不可欠。
 
5)アウトプット(話すこと・書くこと)は、毎日30分だけでも良いので継続する
 
6)コミュニケーション・ストラテジーを使う
・コミュニケーション・ストラテジーとは外国語で、単語が思い出せない、なんと言えばいいかわからないといった時に、うまく対処するための戦略。
・Well, You know といった言葉の活用で、言いたいことが出てこない時にうまく時間稼ぎできる。
 
7)単語は文脈の中で覚える。単語以外のコンテクストがサポートとなり、単語の意味がある程度推測でき、有意味学習になる
・英単語帳として人気が高い「DUO」の「文脈(例文)の中で単語を覚える」仕組みは、この有意味学習を活用している。
・「有意味学習」するには語呂合わせや絵を使った暗記は有効。その単語の意味を類推できる手がかりを加える。
 
8)発音・音声は真似ることから。シャドーイングを効果的に行う。
・発音のよさを決める要素は「学習開始年齢」「外国語環境滞在期間」「性別(女性の方が良い)」「模倣能力」「発音の正確さに対する興味」「どれくらい外国語を使っているか」など。自分で一番コントロールしやすいのは「発音の正確さに対する興味」
 
9)動機付けを高める。何のためにその外国語を学ぶのか目的を明確にする。
 
英語学習に関する本は、巷に溢れるほどありますが、一朝一夕で話せるようになるのではなく、不断の努力が欠かせませんね。

母国語のみで勝負できるマーケット(内需経済圏)が縮小している日本においては、母語が通用しない環境に身を置き、そもそも外国語(第二言語)を習得しないと歯が立たない状況を自ら創っていけるかが本質的な鍵だと思います。
健全な危機感は、自らを動かす動機づけになりますからね。がんばりましょう!